着物はご自身の為に着るものではなく、相手の為に着るものです。もちろんご自身に似合うことやお好きな柄で着飾ることも大切な要素ですが、特にお振袖や色打掛などは本質的には「誰かの為」に着ます。
お振袖とは未婚の第一礼装です。成人を迎える際や、ご結婚式に参列される際にお召しになることが多いかと思います。では、誰の為に着るのか?そもそも何の為に着るのか?これはお祝いの晴れの日だからという一言では片づけられない理由が二つあります。
一つ目は育ててくれた御両親や御祖父母、御兄弟、関わる全ての方々に感謝の気持ちを込めてお振袖をお召しになります。二十歳を迎えることができました。と、言うでもなく姿で伝えられることがお振袖ならではです。自分の為ではなく大切に育ててくれた方々の為に着ます。
二つ目は神様に見て頂く為です。今でも変わらず神社の神様にお祈りする習慣はありますが、古来より特に神前式では「神様から御縁を頂く」という考え方があります。神様は毎日人のご縁を繋ぎますが、それ故に人間の顔を全て把握することができません。だからこそ煌びやかなお振袖で覚えて頂くのです。私は覚えていなくてもこのお振袖を着た私に良い御縁を下さい。お振袖を華やかに纏う理由はここにあり、柄に願いを込められていると同時に、未婚の第一礼装たる所以です。
お振袖を着る本質的な意味を考えた時に、御親族と神様に恥ずかしくない、最高なお振袖だけをお求めやすい価格で数点ご用意いたしました。そんな晴れの日にポリエステルのお振袖なんて、一着物屋として絶対にあり得ません。
最高のお振袖を身に纏い、最上の一日をお過ごしください。